排尿障害

排尿障害の専門医が親身に診療します。

国立長寿医療研究センターでは、日本で最適な高齢者医療を提供するための努力を常に行っていますが、泌尿器科では特に排尿障害に重点を置き、常に国内の模範となることを心がけ診療を行ってきました。日本排尿機能学会の認定医の取得はもちろんのこと、大学病院関連施設の若手泌尿器科医の教育にも協力し、日本の排尿障害治療の改善に取り組んでいます。 少し内容が専門的すぎるのですが、泌尿器科関連の情報を院長が運営するホームページで紹介しています。

尿の回数が多い、出にくい、我慢がきかないなど、どのような排尿についてのお悩みも、お気軽にご相談ください。

排尿障害の主な対象疾患

  • 前立腺肥大症
  • 過活動膀胱
  • 神経因性膀胱
  • 頻尿・夜間頻尿
  • 尿漏れ(尿失禁)
  • 残尿感
  • 排尿困難 など

排尿障害で扱う代表的な症状・疾患

頻尿

頻尿とは、排尿回数が多い状態を言います。個人差が大きいため何回以上が異常という基準はありませんが、目安としては、昼間に8回以上トイレに行くようなことを言います。年齢とともに徐々に排尿回数は増える傾向がありますが、回数が多いことで生活に支障があったり、急に回数が増えたりした場合には、一度相談にお越しください。

夜間頻尿

夜間に眠っている時に、トイレに行きたくなって目が覚めて排尿する回数が多い状態を夜間頻尿と呼びます。ぐっすり眠れないなど、日常生活に支障をきたすのであれば、夜間頻尿の症状が出ていると言えます。分類としては、夜間の尿量の増加、不眠症、膀胱容量の減少などが考えられますが、さらにその原因まで含めると、非常に多くの原因が夜の排尿回数には関係しています。眠っているのに夜中にトイレで起きてしまうという方は、一度ご受診ください。

過活動膀胱(OAB)

過活動膀胱(OAB)とは自分の意思とは関係なく勝手に膀胱が排尿を始めようとしてしまう病気であり、簡単にいえば排尿の我慢が弱くなった状態を呼びます。「急に我慢できないような尿意が起こる(尿意切迫感)」「トイレが近い(頻尿)」「急にトイレに行きたくなり、我慢できずに尿が漏れてしまうことがある(尿失禁)」などの症状を呈します。

過活動膀胱の原因は様々なものがあり、脳こうそくなどの神経の病気、男性の前立腺肥大症などが有名ですが、特別な原因がなく単に高齢というだけでも過活動膀胱の状態になります。過活動膀胱の診断は、一般的な医療機関では単に症状のみで診断を行う場合も多いのですが、排尿障害を専門とする医師として、問診以外にも、いままでの病気の歴史や、尿検査、神経の状態のチェック、腹部エコー検査、排尿状態の観察記録、尿の出方を調べる検査など、患者さんごとに必要な判断材料を選択しています。単に病名を定めるのではなく、膀胱のいろいろな機能の低下具合やその原因までを含めて判断を行い、必要な薬を選択したり、生活上の注意点、改善点を指導したりします。最近では、高血圧や糖尿病などの生活習慣病が排尿障害に大きく影響していることが分かってきており、生活習慣病の治療についての相談も行います。

前立腺肥大症

前立腺肥大症は、男性に特有の臓器である前立腺(男性の膀胱の近くにあって尿道を取り囲んでいる栗の実大の腺組織で、精子の活動性を高める前立腺液を分泌する)が肥大して尿道を圧迫するために、尿が出にくくなるなどの「排尿トラブル」を起こす疾患です。加齢と共に前立腺肥大症は増加し、程度の軽いものも含めれば、80歳以上では8割以上の方が前立腺肥大症になると言われます。

主な症状としては、尿が出にくい、尿をする回数が多い(1日8回以上)、急に尿がしたくなって我慢するのが難しい、我慢できずに尿を漏らす、夜中何度もトイレに行く、などがあります。治療としては、内服薬での治療が一般的ですが、前立腺肥大の程度の強い方や、内服薬では十分な改善が得られない場合では、手術をおすすめする場合があります。

神経因性膀胱

神経因性膀胱とは、脳こうそくや脳出血などの脳の病気や、脊柱管狭窄症、神経障害などの脊髄や末梢神経の病気によって引き起こされる、排尿の不調を表す病名です。神経の病気の症状は排尿以外にも起こっていることが多いのですが、まれに排尿の調子の変化しか症状が無いこともあります。

泌尿器科では、排尿の調子が悪い原因が、単なる年齢のせいなのか、前立腺肥大症や神経因性膀胱などの病気が隠れていないのかをチェックします。神経の病気は、治療が可能なものや、治療が難しいものまで様々です。また、同じ病気でも、症状の程度によってお勧めする治療法は異なります。神経の病気自体の治療が難しい場合でも、症状を改善するための対策や、将来の不安を減らすための方法などを相談してゆきます。